語尾母音の罠
多くの日本語話者は、英語をしゃべるときにカタカナ英語(日本語の母音ベースの)にならないよう気を付けていると思う。
特にカタカナ英語の最後の母音は英語では母音として発音しない(つまり子音として発音する)ことが多い。
例えば、Milk(ミルク)やNew York(ニューヨーク)の最後のクは英語ではカタカナ英語ほど強く発音されない(/k/の発音はヵッに近い)し、badも最後のドは舌をはじくだけでバッドボーイズと日本語で言うときのドとは違う。
これに気を付けている中級英語話者が陥りやすい罠として、下記のような単語が存在する。
・Tornado (トルネード)
・Mexico (メキシコ)
・Orlando (オーランド。アメリカの都市名)
・Torronto (トロント。同じくアメリカの都市名)
・などなど
これらはすべて最後の母音をカタカナ英語のようにはっきり発音する(正確には、ドやコではなく、ドウやコウのようにさらに母音を強調して発音する)。
スペルを見るとどれも最後にoがついているのでわかりやすいのだが、会話時に脳内で
・カタカナ英語から英語に変換して、
・最後の母音をはっきり発音しないように気を付ける
と、正確な発音ができずに上手く伝わらないことがある。
実際、私もロスからオーランドに行ったとき(オーランドには有名なフロリダディズニーワールドがあるので馴染み深い方もいると思います)、空港のスタッフに
「オーラン(ド)に行きたいのだけど」と言うと
「オランダは国際線だからここじゃないわよ」と言われた。
オーランドのドを小さく言ってしまったために、Hollandに聞こえたらしい。ちなみに、当時私はオーランドをHollandのようにオーにアクセントをつけて発音していたが、実際はラにアクセントするべきなので(ォォランドウが正しい)、これも彼女を困惑させた要因となった。